ここ4、5年の傾向ですが、ショートステイが長期化傾向になっています。
本来、ショートステイとは1泊2日から1週間程度のお泊まりケアが一般的でした。しかし、最近では大半が、1ヶ月を超えるロングステイに変化しています。
いくつかの原因があると思います。
1つは、介護保険制度が始まった20年くらい前は、主介護者は専業主婦である嫁が多かったと思います。
しかし今の介護する家族の多くは共働きです。常時介護が必要な場合に、日帰りのデイサービスと1週間以下のショートステイで、在宅介護を支えることの負担が大きくなっているのではないでしょうか。
また核家族化がすすんで、同居していないケースも増えています。つまり独居か高齢の夫婦だけの世帯です。通いで介護するにも仕事を休まないと無理だったり、そもそも他県にいて物理的に無理なこともあります。
2つ目は、平成27年4月から、要介護度3以上でないと養護老人ホームに入所ができなくなりました。実際には要介護度3では入所は難しく、要介護度4か5が必要です。そのような方の当面の受け皿として、ロングステイのニーズが増しているのではないでしょうか。
3つ目は、ショートステイを実施している施設も、昔の施設のような白やグレー基調の素っ気ないものから、暖色系の照明で壁には絵画があったりして、ゆったりとした生活の場の雰囲気を演出しているユニット型が増えています。
家族を施設に入れる罪悪感って昔はあったと思います。措置の時代のなごりでしょうか。しかし今の施設は生活空間として「第2の家」として認めてもらえるレベルになりつつあります。面会に行くと家族と過ごせるスペースが確保されていたりします。
家族が自分の生活を犠牲にして、介護生活を続けるのではなく、サービスをうまく利用すべきです。
ワークライフバランスを保つことで、心に余裕が生まれます。
その結果、親に対して、優しく接することができるなら、それは良い選択ではないかと思います。