今、介護の現場では、ケアマネと介護福祉士などのケアワーカーの給料の逆転現象が見られます。
現場の介護職(ケアワーカー)はどこの施設でも、慢性的に不足していて、団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年には、さらなる不足が予測されています。
3Kとか言われている上、給料も安いためでしょう。
なので国としても何とかすべく、給与水準を引き上げて、人材の確保に取り掛かっています。
平成24年度より、「介護職員処遇改善加算」というものが、新たな加算として加わりました。それによって、ケアワーカーの給料が上がりました。
これは現場で直接利用者さんを介護する人だけに配分されるもので、相談援助を行うケアマネはもらえません。
私の勤める特別養護老人ホームでも、「介護職員処遇改善加算」の導入により、夜勤をやる正職員であるケアワーカーは、年収ベースで約50万円増えているそうです。
そうなると、ケアマネの年収をケアワーカーが超えてしまう、という現象が起きてきます。
ケアマネだったら基礎資格として介護福祉士を持っている方が多いと思います。
つまり現場介護を最低でも5年は経験して、ケアマネ試験を受け、合格して、研修を受けて、ようやくケアマネとして働けるわけです。
需要の多いケアワーカーと、そこまででもないケアマネ。そんな背景が給料にまで反映してしまています。
だいたい施設の中では、ケアワーカーたちの上司が、ケアマネだったりするので、何だか釈然としません。
ケアワーカーを卒業して、晴れてケアマネやってる人にとっては、納得いかないでしょうね。
ケアマネをやめて、現場の介護職員に戻るひともたまにいます。
やっぱり生活も大事ですから・・・
それぞれの生活設計とキャリア構築を秤にかけて、判断すればいいと思います。
実際、私の周りにもケアマネ資格を持っていても、ケアワーカーとして働いている職員が何人かいます。子供もいて生活を支えているので、給料を下げてまでケアマネとして働くつもりはないようです。
また自己啓発のためにケアマネは取ったけど、利用者さんと直接触れ合うことが好きなので、このままでいいと言う職員もいます。
結局は「何をやりたいのか」ではないでしょうか。
現場のケアワーカーは時間が決まっていて、決められたルーチンワークをします。
利用者さんの変化に気付けるのも、日々、同じケアを行っているからです。
利用者さんの一番近いところにいる自負と充実感を感じられます。
それに対して、ケアマネなど相談援助職は変化に富んでいます。
役所や病院、施設、他事業者など、とにかく外部との連絡・調整の日々です。
私は正解がない相談援助業務が好きです。
いろんなケースに出会います。
利用者さんとご家族にとって、一番よい“落とし所”を見つけたい。そのためにさまざまな制度やサービスや社会資源をどう活用するか?そこで専門職としてのスキルが試され経験が生きる。
もし給料のことが気になるのなら、今の時代は副業もあり!だと思います。
キャリアに磨きがかかるような複業がいいですね。
広く視野を持って、介護にフィードバックできるような働き方をしたいものです。